林由紀子:銅版画蔵書票集「プシュケの震える翅」出版記念 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 9月 21日 |
林 由紀子さんは1958年東京生まれ、イラストレーターでは飽き足らなくなっていた36歳から 銅版画では最も古い、15世紀ごろからヨーロッパで確立した技法「エングレーヴィング」を始めました。「エングレーヴィング」は、銅版のうえをビュランという固い刃で線を彫り、そこにインクをつめて摺る銅版画です。 ビュランを研ぐところから勉強をはじめ、15年を経て、今年124点が収録された銅版画蔵書票集「プシュケの震える翅」が出版されました。優雅な線で描かれる清らかなロマンティシズムは好評を得ています。 エングレーヴィングの作品の多くはヨーロッパでは古くから書物の挿絵や、蔵書票となって書物を味わい深いものにします。林さんは古典的なヨーロッパの藝術に興味をもっており、特に北方ルネッサンスの文学や絵画の伝統が林さん独自の造形で作品に込められています。自宅の庭で花のスケッチをたえず沢山描いていますが、これらが作品になると、物語をもって女性や動物と一緒に描かれます。 このたびは、蔵書票、ペン画 花のスケッチなど60点余が出品される、大阪に於ける最大の展示になります。 (蔵書票とは・・・本の所蔵者を示すため、表紙裏に張る小さなカードのこと。絵と文字を組み合わせて、主に版画の技法を用いる。小さく、精緻で美しいことから「紙の宝石」とも呼ばれている。) ※全文提供: ワイアートギャラリー 会期: 2010年10月13日(水)-2010年10月24日(日) |
最終更新 2010年 10月 13日 |