展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2009年 11月 23日 |
さとうりさはこれまで、「日常に潜む闇と光」をテーマに、ペインティング、ドローイング、愛知万博のプログラムに代表される立体、パフォーマンス、インスタレーションなど多様な方法で表現活動を行ってきました。ここ10年は、柔らかな曲線で描かれる「こはち」シリーズの作品を制作し続けています。
5年ぶりの個展となる本展では、「こはち」が旅の果てに、陽なたで最期を迎えるというストーリーを元に、ドローイング約20点と、油土を使用した立体作品を展示致します。
シンプルな線で描かれた、小さな物語の登場人物である「こはち」。その感情が読み取り難い無表情さの裏には、計りきれないほどの激しさが潜んでいます。日常に潜む闇(死)を、光(生)の中で、独り静かに見つめる「こはち」。この物語に何を感じるのか、その表情が私たちに示唆しているようです。
また本展では、立体作品として「こはち墓」のマケット(模型)を展示します。さとうは立体制作の際、マケットを元に設計や制作の過程で様々な人と関わり合い、共同制作されていくことで作品を実現化してきました。そのマケットそのものを展示することで、空間は「こはち墓」を実現させるための第一歩、つまり私たち見る側に対するプレゼンテーションの場へと変わります。また、さとうが立体作品の理想とする“墓や古墳のように人々の生活にとけ込む、静かで壮大なパブリックアート”への、布石ともなるでしょう。
さとうは作家活動を始めてから10周年を迎え、また昨年には、文化庁・芸術家海外派遣制度で渡仏、意欲的な制作を行ってきました。本展では制作の原点に立ち戻った展示を行います。
さとうりさ プロフィール 1972年東京生まれ。 1999年東京芸術大学大学院修了。 公式ホームページ:http://www.risacan.com/
■オープニング・レセプション:12月4日(金)18:30~20:30
※全文提供: フォイル・ギャラリー
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最終更新 2009年 12月 04日 |