石田真也:ワンダフルトラッシュ |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 7月 07日 |
《祭鏡12》2011年 | 1100mm×1100mm×400mm | プラスチック、電球、廃品など | 石田真也展より | 画像提供:INAXギャラリー | Copyright© Shinya Ishida INAXギャラリー特別企画展10daysセレクション 石田真也の作品は、廃品素材を極彩色の祭壇のように組み合わせた、カラフルでエネルギッシュな楽しさあふれるインスタレーションです。 ガシャポンのプラケース、ペットボトルのフタ、色モール、櫛、虫籠、ヘアカーラー、物干しハンガー、お菓子の空き箱、おもちゃの部品、冷凍うどんのアルミ容器など、道端やゴミ捨て場で拾った廃物や、日々の生活の中のチープな既製品を何でも素材にしてしまいます。こんなものがと驚くような部品を見つけるのも、楽しみであり驚きのひとつです。 祭りをテーマに祭壇のシンボルをイメージした「祭(さい)鏡(きょう)」シリーズは、直径1 メートルほどの円形で、ピンクや緑、赤青黄色、ビタミンカラーのプラスチック素材をぐるりとちりばめています。お店の開店祝いに贈られる大きなピンクの花環や、アジアの繁華街の電飾きらめく賑わいを思い起こさせます。 「祭鏡」を掲げる色鮮やかな大祭壇には、虫籠や落ちていた棚、鳥の巣箱を、金屏風や貝やスプレー缶のフタで装飾して並べ、その前に神社の鈴緒のような織紐をずらりと下げて、脇時には羽根を丸く広げた鳥のとぼけたオブジェが控えます。自由な発想でイメージされた色と形は、高揚したお祭りの中に飛び込んだような、大きなエネルギーと強いパワーとユーモアと、生きる喜びを放っています。 石田真也は、大学では彫刻とテキスタイルを学び、タイやインドへの旅行をきっかけに、色へのこだわりと憧れをかたちにするようになりました。ゴミ捨て場や道端の廃品を集める癖と、色を使うことが結びつき、このような作品が生まれました。友人たちと改造したシェアハウス兼アトリエに住まい、家中を自由に作品で埋め尽くし、時には感謝祭などを行って料理や音楽を大勢で楽しむというライフスタイルも、生活の一部のように作品が生み出されていく理由のひとつなのでしょう。 東京での初個展となる今展では、祭鏡シリーズを中心に、会場中を石田ワールドで染め上げる予定です。パワーとカラー、暖かなカオスに満ちた空間をぜひお楽しみください。 石田真也 全文提供: INAXギャラリー 会期: 2011年8月19日(金)-2011年8月29日(月) |
最終更新 2011年 8月 19日 |