大槻素子:a blank |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 2月 02日 |
大槻素子の絵画では、日常的な風景や食べ物が特有の視線で描かれています。特に、これまで多数描かれてきたケーキをモチーフとした作品では、祝祭感の裏にある感情のズレや違和感を暴くようなハードな側面も備えていました。 今回の展示では、従来よりも明度を増したグレートーンの色彩の中で大槻特有の、霞むような漠然とした筆致で食べ物が描かれます。巧妙にピントがはぐらかされ、記憶の残滓や過ぎ去る残像を思わせる作品と対峙するうちに、 作品からのイメージと鑑賞者の遠い記憶とがないまぜになり、誰のものでもない情景が浮かび上がる感覚に陥ります。とらえどころのない空虚感はどこか心地よく、現代を生きる私たちの心をとらえます。 やさしげな色彩に彩られた食べ物たちの、隠し味はいかに。是非ご来場の上、ご賞味いただければ幸いです。 ※全文提供: アルマスGALLERY 会期: 2011年2月26日(土)-2011年3月12日(土) |
最終更新 2011年 2月 26日 |