展覧会
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執筆: カロンズネット編集3
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公開日: 2013年 9月 11日 |
柿沼康二は、1970年生まれ。現在東京を拠点に活躍する書家です。5歳から筆を持ち、父である柿沼翠流、手島右卿、上松一條に師事しました。「書はアートたるか、己はアーティストたるか」との命題を立て、既存の書に収まらない新たな書の地平に挑み続けてきました。 柿沼康二の作品の特徴は、書の古典に立脚した今日的な表現にあります。書の原理を問いつつ今日の美術として書を捉えていこうとしています。「吸って吐いて、自由な書!」とは、柿沼康二の目指す書の在り方です。表現スタイルには、いくつか代表的なものがあります。古人や能筆家との対話の場である臨書。臨書から形式発展させ、他者の言葉を柿沼流に作品化する「エンカウンター(出会うこと)」。書の原理である墨を使って絵画的に展開する超大型の作品群。あるいは、大型の作品での例が多い制作プロセスを観客と共有するパフォーマンス。ひとつの言葉にこだわり、それを執拗に繰り返す「トランスワーク」。書を時間的、空間的に発展させて、巨大なスケールで展開したインスタレーション。 このように、柿沼康二の書は、書、現代アート、サブカルチャーと関連して展開した今日的な表現です。それは、明日へと向かう希望の書であり、自由で、未来に向かって開かれた、可能性としての書です。本展では、代表作約700点で柿沼康二の書の世界を紹介します。
本展キュレーター・金沢21世紀美術館館長 秋元雄史
[作家プロフィール] 柿沼康二 (かきぬま・こうじ) 1970年栃木県矢板市生まれ。5歳より筆を持ち、柿沼翠流(父)、手島右卿、上松一條に師事。東京学芸大学教育学部芸術科(書道)卒業。2006-2007年、米国プリンストン大学客員書家を務める。 「書はアートたるか、己はアーティストたるか」の命題に挑戦し続け、伝統的な書の技術と前衛的な精神による独自のスタイルは、書という概念を超越し「書を現代アートまで昇華させた」と国内外で高い評価を得る。 2012年春の東久邇宮文化褒賞、第1回矢板市市民栄誉賞、第4回手島右卿賞。独立書展特選、独立書人団50周年記念賞、毎日書道展毎日賞(2回)等受賞多数。NHK大河ドラマ「風林火山」(2007)、北野武監督映画「アキレスと亀」、角川映画「最後の忠臣蔵」等の題字の他、「九州大学」「九州大学病院」名盤用作品等を揮毫。 NHK「トップランナー」「趣味Do楽 柿沼康二 オレ流 書の冒険」「ようこそ先輩課外授業」「スタジオパークからこんにちは」、MBS「情熱大陸」、日テレ「心ゆさぶれ! 先輩ROCK YOU」、BOSE社TV-CM等に出演。 伝統書から特大筆によるダイナミックな超大作、トランスワークと称される新表現まで、そのパフォーマンス性は幅広く、これまでNYメトロポリタン美術館、ワシントンDCケネディセンター、フィラデルフィア美術館、ロンドン・カウンティーホール、KODO(鼓童)アースセレブレーションなど、世界各地で披露され好評を博す。現在、柿沼事務所代表取締役社長兼所属アーティスト/書家。
●関連プログラム アーティスト・トーク 日時:2013年11月23日(土)14:00~15:30 会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール 出演:柿沼康二、秋元雄史(本展キュレーター・金沢21世紀美術館館長) 料金:無料(ただし、本展観覧券が必要) 定員:先着70名(事前申込制) ※事前申込など詳しくはこちら
●出版刊行物 『柿沼康二 書の道 “ぱーっ”』 作家の作品ならびに展覧会風景を収録した図録を発行します。 執筆者:名児耶明(五島美術館 学芸部長)、秋元雄史(本展キュレーター・金沢21世紀美術館館長) 発行:株式会社マイブックサービス デザイン:株式会社東京ピストル 予価:2,500円(税別) 発売予定日:2014年1月2日(木) ※都合により内容等が変更になる場合があります。ご了承ください。
全文提供:金沢21世紀美術館
会期:2013年11月23日(土)~2014年3月2日(日) 時間:10:00 - 18:00(金・土 - 20:00) 休日:月 会場:金沢21世紀美術館
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最終更新 2013年 11月 23日 |