写真の魅力と言葉を組み合わせた独自の表現

清水裕貴は、一見何を見ているのかわかりにくい構図もピントも不安定な写真に、詩のような言葉を添え、独特の世界観を紡ぎだした作品「tky⇔almgrd」で第5回写真「1_WALL」でグランプリを受賞しました。写真と言葉を一緒に展示した意欲作は、審査員には「何気ない写真なのにサブリミナルに浸透してくるような不思議な力を感じる」「写真を見て、こんなにイメージの力に連れ去られることはそうそうない。言葉も魅力的だが、言葉なくても成立していると思う」と評されました。

清水は気になるイメージをスナップで撮りためて自由に組み合わせ、さらにその写真をインスピレーション源に物語を紡ぎ出していく手法で作品制作をしています。“物語で写真を導く”と、写真と言葉で新しい写真の見せ方の確立を目指す清水ですが、その物語は明解な結末があるものではなく、とらえどころがなく、ゆるやかで曖昧なものです。

今回の個展では、アメリカのニューメキシコ州にあるアラモゴードやホワイトサンズを旅して撮影したグランプリ受賞時の作品と清水自身の身の回りを撮った写真を混ぜ、物語をさらに広い空間に展開していきます。白昼夢なのか天国なのか、白い砂漠なのか雪原なのか、見る者をミスリードし、引き込んでいく物語の世界。ぜひ会場でご覧ください。

（ガーディアン・ガーデン）

［作家コメント］
グループ展
2011　第5回写真「1_WALL」展／ガーディアン・ガーデン、東京
2011　わららか和紙展／小津和紙店、東京
2009　この街は日曜の昼に沈んだのだ／新宿眼科画廊、東京
2007　Rlah 2／Bank Art NYK Gallery、横浜

［作家プロフィール］
清水裕貴　Yuki SHIMIZU プロフィール

1984　千葉生まれ
2007　武蔵野美術大学映像学科卒業

受賞
2011　第5回写真「1_WALL」グランプリ

全文提供：ガーディアン・ガーデン

会期：2012年6月25日（月）～2012年7月12日（木）
会場：ガーディアン・ガーデン