菅かおる 展 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 9月 28日 |
日本画家、菅かおるの水をモチーフに制作された絵画、約15点により構成される個展。この度、岩絵の具、金箔に加え、墨を意欲的に用いた新作も展示されます。菅かおるの描く水、その奥底で、記憶と生命の根源的な形が繋がり、その表面で、それらは形を変えながら一体となって輝いています。「水は透明で、他のものとの関係性のなかで成り立ち、様々な色、形に変化する。私を惹きつけてやまないものは、その変化。」と語る菅かおるの水は、静止した絵画でありながら、刻々とその表情を変え、鑑賞者を記憶の水底へ誘い、同時に、水に反射する空へと解き放ちます。 アーティストステイトメント 菅かおる 全文提供: 菅かおる 会期: 2010年10月1日(金)-2010年10月16日(土) |
最終更新 2010年 10月 01日 |
初期から「水」をテーマとした日本画を描き続ける菅かおるの神戸初個展。
まるい金魚鉢を上から眺めるように描いた『まるい小宇宙』シリーズ、水面のはざまに夜空の星々が輝く『光+水=』(2010)など、透明な水を媒介に水上と水底の世界が重層的に描かれ、絵画に奥行きと広がりがもたらされている。また、鮮やかな岩絵の具や金箔の使用により、刻々と変化する水を幻想的に描き出すことに成功している。
かつてクロード・モネは、池に浮かぶ睡蓮や水中に繁殖する水草、水面に映る樹木や空を混然一体に描き出したが、菅もまた日本画によって「水」に新しいかたちを与えようとしているようだ。