展覧会
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執筆: カロンズネット編集
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公開日: 2010年 2月 25日 |
ドイツ・デュッセルドルフを拠点に制作を続けてきた村瀬恭子の作品は、少女像を中心にすえた具象絵画でありながらも、その筆致は、ときに滑らかに、ときにするどくカンヴァスの上をはしり、温度や湿度、さらには皮膚の上をすぎる風や体を包む水の感触などの、だれもが感じたことのある、それでいて不確かな、かすかな気配やおぼろげな感覚を伝えます。
本展では、少女が水の中にたゆたうペインティングから、その少女が森の中から洞窟まで、たどたどしく、あるいは力強く歩みだす近作で彼女の画業を振り返るとともに、この展覧会で初公開となる約10 点の新作に加え、展示室を大胆に変容させるインスタレーションなど、近年ますます評価を高める画家の新たな展開を紹介します。
村瀬恭子略歴 1963 岐阜市に生まれる 1986 愛知県立芸術大学卒業 1989 愛知県立芸術大学大学院修了 1990-96 国立デュッセルドルフ芸術アカデミー在籍 1993 コンラッド・クラペックよりマイスター・シューラー取得。デュッセルドルフ在住
主な展覧会 2002 「MOT アニュアル 2002 - フィクション? 絵画がひらく世界 - 」東京都現代美術館 2004 個展「To The Mountain Lake」タカ・イシイギャラリー(東京)「六本木クロッシング」森美術館(東京)、「あっぷあっぷ」ナディッフ・ギャラリー(東京) 2006 個展「月と森とシダの下のかたつむり」タカ・イシイギャラリー(東京) 2007 個展「セミとミミズク」ヴァンジ彫刻庭園美術館(静岡)、個展"Around the lilac rock" Cohan and Leslie(ニューヨーク)、「『森』としての絵画 -『 絵』のなかで考える」岡崎市美術博物館 2008 個展「Emerald」タカ・イシイギャラリー(東京)、「ネオテニー・ジャパン-高橋コレクション」 鹿児島県霧島アートの森ほか 2009 「I BELIEVE-日本の現代美術」富山県立近代美術館、「放課後のはらっぱ-櫃田伸也とその教え子たち」愛知県美術館、名古屋市美術館 2010 「絵画の庭-ゼロ年代日本の地平から」 国立国際美術館(大阪)
作品集 『あっぷあっぷ』(福永信との共著)講談社 2004 年、『月と森とシダの下のかたつむり』タカ・イシイギャラリー 2006 年、『Kyoko Murase Drawings: Jelly Morning』NOHARA 2008 年
※全文提供: 豊田市美術館
会期: 2010年4月10日-2010年6月13日
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最終更新 2010年 4月 10日 |