ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト―写真、絵画、グラフィック・アート |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 10月 28日 |
ベン・シャーン《ウェスト・ヴァージニア州、スコッツ・ラン、オマー》1935年 写真 | Harverd Art Museums / Fogg Museum Gift of Bernarda Bryson Shahn ニューヨークを舞台に活躍し、日本の美術・デザインに大きな影響を与えたアメリカの画家ベン・シャーン(1898-1969)の20年ぶりの回顧展です。 ベン・シャーンは、1898年、バルト海に近いコヴノ(現在のリトアニアのカウナス)のユダヤ人家庭に生まれます。1906年にアメリカへ移住後、ニューヨークの石版画製作所で徒弟修業をしながら夜間高校や大学に通い、ヨーロッパ旅行を経て画家への道を歩みだしました。1930年代、不況下のニューヨークで社会の不正義に対して声をあげた作品《サッコとヴァンゼッティ》シリーズが注目されます。同じころ、ニューヨークやアメリカ中西部の人々の暮らしを写真に撮り、写真家としても活躍するようになりました。 その後のシャーンの活動は、絵画制作にとどまらず、ポスターや本の装丁にも及び、粟津潔や和田誠など戦後日本のイラストレーターたち、阿部展也や麻生三郎、吉井忠などの美術家に大きな影響を与えました。1960年に来日した折には、何人ものアーティストがシャーンのもとを訪れています。 今回の展覧会では、ボストンのフォッグ美術館の協力を得て300点近い写真画像を公開します。その多くが、シャーンの絵画のイメージソースになりました。また、1960年来日時にシャーンが撮影した写真を初めて展示します。国内外からテンペラ、水彩、ドローイング、ポスター、版画、素描、写真を含めた総展示点数が600点におよぶ本展では、社会や人間の存在から目をそらさずに、伝えるべき何かを見失わなかったシャーンの、複数のメディアを行き交う展開がみどころです。 展覧会情報サイト: http://www.benshahn2011-12exh.info/ 全文提供:神奈川県立近代美術館 葉山 会期: 2011年12月3日(土)-2012年1月29日(日) |
最終更新 2011年 12月 03日 |