矢部奈桜子 展 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2008年 11月 30日 |
矢部奈桜子は1978年生まれ、2003年京都市立芸術大学大学院を卒業いたしました。この春のアートフェア東京におきましても、その存在感でご好評を頂戴いたしました。 グラデーションをつけながら緻密に描き込まれる矢部の絵画は、何かの生物か、または何処かの風景なのかと見る者を幻惑します。そのイメージの源が何であるかは最早問題ではなく、タダそこに、見る者のイメージを膨らませることの出来るテーブルが用意されているような、それ程までにニュートラルな絵画なのです。矢部のズームインしてゆく視線は天然であり、確かな技術力に裏付けられた色彩と形態は、自然と観者のイメージを増幅してゆくのでしょう。日本の風俗や「かわいい」の中ばかりに独自の日本があるのではなく、「東京物語」・「東京ソナタ」はたまたロウソクやビンを描いた画家達のように、日常の中にも独自性が発見できるのがこの日本なのではないでしょうか。矢部の絵画はその事を考えさせてくれます。矢部の絵画に物語はありません。ただ技術に裏付けられた強いイメージがあるのです。全てが始まり、増幅する装置として。 矢部奈桜子略歴 展覧会歴 ※全文提供: ギャラリーゼロ |
最終更新 2008年 12月 08日 |