長井朋子 展:子供と梟と灰色ネコもキラキラの日曜日 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2008年 10月 27日 |
《オリーブブラウンの世界を呼びに行こう》(2008)、oil on canvas 131.0 x 162.0 cm copy right(c) 2008 Tomoko Nagai, Tomio Koyama Gallery 長井朋子は、永遠の少女性とも言うべきモチーフを散りばめた壮大な物語世界を、画面いっぱいに描きます。熊や猫、羊、馬などたくさんの動物たち、幼い少女や奇妙な架空の生き物、色とりどりの木々やキノコが、クラシックバレエの舞台背景のようにも見える劇場的空間の中に、おもちゃ箱をひっくり返したようなにぎやかさで溢れ出します。作家自身が子供の頃によくしていたという人形遊びを彷彿とさせる装飾的なインテリアから、童話の絵本に出てくるような暗い森、あるいは宇宙空間まで、作家の空想はどこまでも広がっていきます。 絵画平面にとどまることなく、近年インスタレーションにも挑戦する長井は、自分だけの「人形の家」を懸命に作り上げているかのようです。ふわふわのフェイクファー、輝くシャンデリア、人形の動物たち、美しい鏡、トランプや世界地図—さまざまな小道具が作家の演出によって自由に配置され、私たち鑑賞者が扉を開けて入ってくるのを、じっと待ち受けているのです。 【この展覧会について】 |
最終更新 2008年 11月 01日 |