田中正弘 展 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 11月 26日 |
友人の死を契機に10数年前に始まった田中正弘の「死を怖れるな」シリーズはミイラ、立棺という直接死を指示するイメージから広島への関心を経て前回個展で登場した「雲水」へ変化し、今回の「THE禅」や種を鉛板に埋め込んだような「植物誌」へつながってきた。「雲水」「THE禅」にはこけしや土人形に似たユーモラスさがあるけれど、それでいて微妙に深い何かが剽げた気配に混交するのは、作者に入り込んだ「死」の声が依然響いているせいだろう。それらを鎮魂のイメージとするなら「植物誌」は死と生の循環を象徴するようだ。死、鎮魂、循環は死と生(そして性)をめぐる宗教、文学的イメージをなぞるものだが、田中の作品が宗教、文学的イメージの表現と見えないのはやはり極めて直接的個人的な体験から、それらを作り手が順次発見してきたからだと私は思う。 田中正弘 ※全文提供: ギャラリーなつか 会期: 2010年11月29日(月)-2010年12月4日(土) |
最終更新 2010年 11月 29日 |