服部繭 展 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 10月 24日 |
手を動かしていると自分の中に在る何かが自然と表面に浮び上がってくることがある。それを、直感でつかまえる。そんな作業をしていて、その作業の中から自分の欲している何かをみつめ返す。そこからドローイングが生まれた。みつめ返した所から、再度たぐりよせてみる。くり返す。よせてはかえす波のごとくくり返す。ただひたすらくり返すところからしか、私の中の何かはつかめない。つかみきれない。今も…。 服部繭 ※全文提供: ギャラリーなつか 会期: 2010年10月25日(月)-2010年10月30日(土)11:30~18:30(最終日17:30まで) |
最終更新 2010年 10月 25日 |
白地に現れる抽象的な黒や黄色のぼやけた線は、つかみきれない模索の跡か。
アイボリーの壁に一直線に並べられているのは、正方形のキャンバス。人の頭程の大きさである。こじんまりとした画面は、大広間に掲げるものというより、個人的な世界で楽しむためのものかも知れない。いつしか親近感が沸いてしまう。作品に向き合うということは、作品と何かを共有することなのかも知れない。作者とではなく、そこから自立した作品と向き合うのだ。両手の掌程の画面の正面に立ってみると、小さな画面に重なる色が奥深くまで続いていくように見え、向き合う楽しさを教えてくれる。