ゼロ年代のベルリン ―わたしたちに許された特別な場所の現在(いま) |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 8月 26日 |
ヨン・ボック《ヘリボーン式搾乳室》2010 | Photo: Jan Windszus | Courtesy: Klosterfelde, Berlin; Anton Kern, New York | Copyright© John Bock [参考画像] 1989年の壁の崩壊後、ベルリンは変化を続け、政治、経済、文化の実験場として世界の注目を集めてきました。ゼロ年代、ベルリンは世界の中で、アーティストを最も魅了するホットな都市となっています。そこではゆるやかなソーシャルネットワークがつくられ、ジャンルを横断する恊働や交流がなされています。グローバル化によって加速された複雑な政治社会状況に対して、各々の作品に忍ばせられた社会に対する意見(こえ)は、ベルリンの街に音楽(うた)のように響き渡っています。 壁の時代、ベルリンは自由を熱望し、自由のための闘争の象徴ともなりました。その当時の熱気は今も残り、都市の中に散在するフリースペースとともに、現在のベルリンを「特別な場所」にしています。「ここ」にある小さなユートピア-わたしたちに許された特別な場所の現在(いま)を、世界から集まりベルリンに住む18組(12カ国)のアーティストたちが、映像、絵画、パフォーマンスなど多様な表現によって映し出します。イデオロギーに替わる、社会と関わりをもった歴史、物語の再構築、都市への介入によって空間とアイデンティティの関係を問いなおすパフォーマンスや造形、情報、身体、都市空間が、新たな感性の位相のもとに、鮮烈な生産の実践として展開されます。 これからの芸術のありようを示す場所、それがベルリンなのです。 本展覧会は、日独交流150周年を記念してドイツ文化センターとの共催で開催されます。 [本展のみどころ] ベルリンのアートを語る上で欠かせないアーティスト、ヨン・ボックが東京の若いカップルを主題に、本展のために新作を制作します。全く新しい視点から切り取られる東京の姿は必見です。 日本人の父とイギリス人の母をもつアーティスト、サイモン・フジワラが実家を訪ね、父親とのコラボレーションにより新作を制作。ウィットとユーモアに富んだ映像インスタレーションを展示します。 バチカンが選んだ現代のキリストのキャスティング、パゾリーニの名作映画の登場人物6役を一人で演じるアジア人アーティスト、蝶の舞う楽園に集まる不思議なスキンヘッドの若者たち、破天荒で魅力的な映像が語る「数々のユートピアの物語」を みせます。 [出品作家] ※10月29日~ サーダン・アフィフ ジェイ・チュン & キュウ・タケキ・マエダ クリスチャン・ヤンコフスキー 空間実験研究所(オラファー・エリアソン設立) 全文提供: 東京都現代美術館 会期: 2011年9月23日(金)-2012年1月9日(月) |
最終更新 2011年 9月 23日 |