展覧会
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執筆: 記事中参照
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公開日: 2011年 5月 28日 |
私はこれまで3つの要素をもとに制作をしてきました。
それは、’空間’ ‘記憶’そして'時間‘です。それらと共に '存在’と '居住生活(または日常生活)’をテーマに制作をしてきました。 それらの要素、テーマを作品ごとに焦点や関連性を組み合わせたりしながら絵を描いています。
さて今回の展示ですが、方向性を今年の初め頃にきめてから制作を開始いたしました。
それは‘海の森、陸の船’です。
以前わたしは、タイで見た仏像の頭を飲み込みながらも成長している木から着想を得て、現代生活を飲み込んだ木からなる森の小さな版画作品を作りました。今回はその作品のイメージを膨らませて‘海の森’の風景画を描きたいとおもいました。
そして、住居としての船、または船としての住居を、海ではなく陸に描く、’陸の船’の風景画(居住、移動、空間、記憶の風景画です)と組み合わせた展示にしようとおもい制作しました。
また言い換えるならば、今回の展示の絵は予感する過去、記憶する未来―太古の風景画であり未来の風景画でもあり現代でもありえます。
2011年3月11日、東北関東大震災が起こりました。
今回の展示品のスタート地点はこの度の震災とは全くの無関係です。
けれども今回の展示作品制作に際し、何度か一種の苦痛と恐怖のようなものを感じました。
これはわたしの制作中には滅多にないことです。わたしが震災に対して感じた恐怖や悲しみとつながりがあるのかもしれません。そういう意味では今回の展示品は震災の影響を受けているともいえます。理性的な作品のテーマとしてではなくて、心がうけた衝撃の影響のようにおもわれます。
今回は1枚だけ、恐怖ではなくてあえて希望をテーマとした風景画をくわえました。
最後にはなりますが、被災地の方々の安全と力強い復興をお祈り申し上げます。
全文提供: Shonandai MY Gallery
会期: 2011年6月1日(水)-2011年6月8日(水) 会場: Shonandai MY Gallery
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最終更新 2011年 6月 01日 |