長尾圭:みずにもたれて |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2010年 2月 11日 |
作家略歴 個展: 会期: 2010年2月15日(月)~2月21日(日) |
最終更新 2010年 2月 15日 |
たゆたうようにキャンヴァスに描かれた線を追う。線は擦れ、途切れ、曲がり、伸び、視線はキャンヴァスとの往復運動に身を預ける、もたれる。もちろん「もたれる」とは、キャンヴァスに倒れ込むことではない。浮くでも、沈むでもなく、そこにある柔らかく暖かい空間にもたれる時間のことである。 だが、絵画にとって支持体に絵の具を置く、描くということは、支持体に絵の具を「もたれさせる」ことなのかもしれない。木炭や絵の具が支持体に浸透し、定着していく時間とは、絵画と私たちとの「もちつもたれあい」の時間だと。