特別展 アメリカへ渡った二人 国吉康雄と石垣栄太郎 |
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Published: October 02 2017 |
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国吉康雄(くによし・やすお/1889-1953)と石垣栄太郎(いしがき・えいたろう/1893-1958)。 戦前のアメリカへ移民として渡り、太平洋戦争という困難な時期を挟みながら、画家として活躍した二人の足跡を辿ります。 国吉は岡山県岡山市から、石垣は和歌山県東牟婁郡太地町から、ともに二十歳にもならない若さで移民としてアメリカへ渡りました。様々な職に就きながら、美術学校に通い、画家を目指した二人は、ともに1920年代から活発に作品を発表し始め、ほぼ同時代をアメリカで過ごしています。 アメリカ画壇での評価を受け、戦後はホイットニー美術館にて、現存画家として最初の回顧展が開催されるなど、アメリカを代表する画家として認められた国吉。生活や風俗を描き、また社会主義に傾倒するなかで同時代の様々な問題を告発する絵画を描いた石垣。二人は、絵の修業を始めたアート・スチューデンツ・リーグ時代に出会って以来、友人関係にありました。1930年代にはニューヨークにて隣のアパートに暮らし、屋上の屏をまたいで頻繁に行き来していたと石垣の妻、綾子(1903-1996)は回想しています。太平洋戦争が始まると、彼らは「敵性外国人」という立場に置かれますが、アメリカの自由と民主主義の理想を信じ、日本の軍国主義を批判しました。 メッセージを巧みに画面に忍ばせ、象徴的な事物などによって語らせる国吉、より直截に物事を描き出す石垣と、それぞれに作風は異なりますが、二人の作品には、日本人移民排斥や大恐慌、戦争などアメリカ社会が激しく揺り動いた時代に、二つの国の間で生きた画家の複雑な思いが込められています。 展覧会では、その時代と社会に対して二人がどのように向き合い、作品を残したのかを、あらためて見つめる機会としたいと思います。 主催:和歌山県立近代美術館、公益財団法人 福武財団 協力:岡山県立美術館、太地町立石垣記念館 企画協力:岡山大学大学院教育学研究科国吉康雄を中心とした美術鑑賞教育研究講座 【関連事業】 ■講演会「包囲された人々:石垣と国吉の身体表現」 【日時】10月14日(土)14時 〜 2階ホールにて(13:30開場/先着順・定員120名) 【講師】王士圃(シープ—・ワン/SihiPu Wang)カリフォルニア大学マーセド校准教授 【通訳】櫻井敬人(太地町歴史資料室学芸員) 国吉康雄をはじめとしたアジア系アメリカ人芸術家を研究。今夏には石垣栄太郎についても論じた『THE OTHER AMERICAN MODERNS. Matsura, Ishigaki, Noda, Hayakawa』を出版。来年には企画した小圃千浦展の巡回が控えている。 ■国吉康雄検証ドキュメンタリー「国吉を誤解している日本・忘れたアメリカ」(1時間程度) 監督:才士真司(岡山大学准教授/本展共同企画/映像作家) 【日時】11月19日(日)、12月3日(日)いずれも14時 〜 2階ホールにて(13:30開場/先着順・定員120名) 国吉康雄の教えを受けたブルース・ドーフマン氏、国吉研究の第一人者であるトム・ウルフ氏などのインタビューを和歌山初上映。 ■フロアレクチャー(学芸員による展示解説) 【日時】10月9日(月・祝)、10月29日(日)いずれも14時 〜 展示室にて(要観覧券) ■ギャラリーツアー 才士真司(岡山大学准教授)+奥村一郎(当館学芸員) 【日時】12月24日(日)14時 〜 展示室にて(要観覧券) ■こども美術館部 「ひとりとふたり」 (隔月開催の小学生対象鑑賞会) 【日時】12月9日(土)14時 〜 (14時までに受付にて参加登録、要観覧券) ■ワークショップ 「見て、描いて、国吉康雄」 【日時】12月10日(日)13時〜 (高校生以上対象、事前申込制) 【ナビゲーション】岡山大学大学院教育学研究科美術教育コース 【共催】岡山大学大学院教育学研究科国吉康雄を中心とした美術鑑賞教育研究講座、和歌山県立近代美術館 国吉が制作に使用したカゼイン絵の具を用いたワークショップ。詳細はホームページなどでご案内します。
http://momaw.jp/
全文提供:和歌山県立近代美術館
会期:2017年10月7日(土) 〜 2017年12月24日(日) 時間:9:00 − 17:00(入場は16:30まで) 休日:月曜日(10月9日は開館し10月10日は休館) 会場:和歌山県立近代美術館
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Last Updated on October 07 2017 |