田中麻子 展 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2013年 1月 23日 |
田中麻子の彫刻のモチーフは、生命を象徴する植物です。千葉県に住む彼女は子どものころから、ほかの人があまり気に留めない「雑草」をスケッチするのが好きで、植物に自然の力を感じてきました。道ばたに生えるツユクサや住宅の陰で群れをなすドクダミ。今回の展覧会では、鉄を素材に制作した草の彫刻群を床に並べ、インスタレーションとして展示します。 田中が制作する草の彫刻たちは力強く軽やか。本物の植物とは違う黒あるいはグレーの葉や茎は少し異様にも見えますが、本来、植物にとって色は関係ありません。太陽光線のうち緑の光(中波長光)が葉を通過し、人間が緑色を見ているに過ぎないからです。田中は草の形を抽出し、人知れず生と死を繰り返している「雑草」の存在に光を当てることで、自然の力の再認識を促そうとしています。 光合成の副産物である酸素をはじめ、人間にさまざまな恩恵をもたらす植物は祝福の源。「祝福」を展覧会全体のテーマとして、彫刻によるインスタレーション以外にドローイングの展示も予定しています。 [作家プロフィール] 全文提供:橘画廊 会期:2013年2月11日(金)~2013年2月23日(土) |
最終更新 2013年 2月 11日 |