イグノア・ユア・パースペクティブ11 |
展覧会 |
執筆: カロンズネット編集 |
公開日: 2011年 1月 09日 |
児玉画廊コレクション展「イグノア・ユア・パースペクティブ」は、観る者をそれぞれの固定観念から解き放つべく、児玉画廊のステートメントとして開催しているグループショーのシリーズです。所属アーティストの新旧優品を集め、回を重ねる毎に大変好評を博しております。 今回紹介するのは、関口正浩、杉本圭助、田中秀和、堀川すなお、八木修平、和田真由子の6名のアーティスト。関口、和田は貴志真生也とともに昨年末の児玉画廊(京都)におけるイグノア・ユア・パースペクティブ10において次代への先駆けとして取り上げ、3名それぞれ大きな反響を得ました。関口の油絵具の膜をキャンバスに貼りつけるという手法は単なる技法の開発ではなく、見る 側に作品と対峙する上で絵画の平面性についての大きな視点の転換を促します。また和田の作品は、例えば便宜上立体作品の体裁を取りつつも、形而上学的な視座で、ドローイングや絵画として制作された平面としての作品群、あるいはその逆というように、実物とイメージの逆転現象が関口同様、観客に大きな戸惑いを与えるものです。堀川と八木は、京都市立芸術大学修士課程に在籍中(八木は今春進学)ではありますが、Kodama Gallery Project において昨年デビューを果たし、共に成功をおさめました。堀川は直線的で簡潔な線描で対象を表しつつ、時には線と線の間の空隙にメディウムなどの塗重ねによる隆起を施すこと等によって、視覚的なゆがみやひずみを同一平面上に重ねて描き出します。八木は鮮やかな色彩を洪水のように描きつける抽象ペインティングを制作しています。マスキングテープによって色面の輪郭を作り、それを幾重にも重ねていくことで生まれる極めて明瞭な色彩の断絶は、あたかも疾風、幻影、ハレーション、フラッシュバックといったようなイメージで鮮烈な印象を与えます。田中は昨年京都でのペーパーワークを主体とした個展において斬新なドローイングを多数発表し、今回はその中から厳選した作品を展示致します。さらに、今回初めて紹介する杉本は、パフォーマンスと連関した平面作品やインスタレーションによって、詩的で独特の世界感を創り出しています。来月Kodama Gallery Project(児玉画廊|京都)で開催する個展に先んじて、本展では近作の中からタブローとファブリックペインティングの優作を取り上げます。 本展がイグノア・ユア・パースペクティブたる所以の、児玉画廊が投げ掛けるこれら多様な6名の作品それぞれに通底する某かを目前に、それに共振する感覚の端緒を皆様にも見出して頂ければ幸いです。 出展作家 ※全文提供: 児玉画廊 会期: 2011年1月8日(土)-2011年2月12日(土) |
最終更新 2011年 1月 08日 |