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おまえはどうなんだ?松の湯二階
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 10月 22日

画像提供:おまえはどうなんだ?展 松の湯二階 広報部

このたび、私どもは来る2011年10月8日より10月29日まで「おまえはどうなんだ?松の湯二階」展を開催する運びとなりました。アーティスト自身が企画・運営する本展は元銭湯だった場所を会場として、ジャンルもキャリアも違う12名の作家で構成します。

「おまえはどうなんだ?」この挑発的とも思える言葉は発起人工藤春香が常に自分自身に問いかけている言葉です。震災以降大きく揺れ動く社会の中で、自分は何を感じ何を考えどう行動するのか。常に問いかけ、またその問いかけに対して作家自身が作品として答えるだけでなく、本展を見た鑑賞者自身にも問いかける展覧会にしたいと願いこの展覧会名にしました。
本展に参加するアーティストはギャラリーや美術館と行った既存の場所だけでなく自ら発表場所を企画することやアクションをしている作家達です。

本展では作品を会場に持ち込むだけでなく、「今、ここでしかできない展示」にするべく、会場となる松の湯二階での現地制作をします。

また事前に作家が作品のプレゼンテーションをし、他の作家に制作計画を知らせることで、自分の思考だけでなく他者の思考も意識して制作します。 展覧会をより多くの方に体験していただくために地域での連動企画や地元商店街の方々の参加作品も企画します。

3月11日の震災以降、今まで漠然と信じていた前提が崩れました。社会情勢が不安定になる時、人々の心もまた不安定になるといいます。そのような情勢でも声の大きな者に身を委ね思考停止してしまうのではなく、自分と向き合い問いかけること。情報過多な社会の中でも自分の殻に閉じ籠もることなく、他人の思考も取り入れ目の前にある現実の手触りを感じること。その先に新たな世界を見ることができるのではないでしょうか。

今ここで自分に何ができるのか、作家が出した作品という答えをぜひ見に来て下さい。

【出展作家】
工藤春香 窪田美樹 岸井大輔 タニシK 大木裕之 のぎすみこ 黒野裕一郎 西村知巳 池田聖子 福屋吉史 西野大介 池田拓馬

【イベント】
10月22日(土) 19時~21時
シンポジウム「地域、生活、想像力」 白川昌生(美術家)×小泉元宏(鳥取大学地域学部専任講師)
各地で行われているアートプロジェクトについての考察、今後の地域社会の発展、アートと日本の未来について参加者の皆様と話し合います。

10月23日(日)
17時~アーティストトーク
窪田美樹 のぎすみこ タニシK 大木裕之 池田聖子

10月29日(土)
18時~タニシKパフォーマンス『TNK NEWS』
19時~クロージングパーティー
19時~のぎすみこ『ひつじのさんぽ』

【url】
公式サイト
https://sites.google.com/site/omaehadounanda/
フェイスブックページ
http://www.facebook.com/omaehadounanda/

※全文提供: おまえはどうなんだ?展 松の湯二階 広報部


会期: 2011年10月8日(土)~2011年10月29日(土)
          月水木金(16:00-21:00)土日祝(11:00-21:00)火曜日定休
入場料: 500円(中学生以下無料)
           お風呂つき入場券700円/イベントつき入場券1000円/お風呂とイベントつき入場券1200円
会場: 松の湯二階(新宿区山吹町16)

最終更新 2011年 10月 08日
 

編集部ノート    執筆:田中みずき


画像提供:おまえはどうなんだ?展 松の湯二階 広報部

営業中の銭湯の玄関脇にある階段を上ると、2階が展覧会場になっている。2階にも銭湯のフロントや浴室が健在だ。広間のような空間も有り、どのような使われかたをしてきた場所なのか興味をそそる。

そんな空間に、若手の作家の作品が並ぶ。かつては様々な人が行き交ったであろうフロント付近や廊下には、肖像写真と写された人物についてのテキストを並べた西村知巳の作品があったり、浴室の浴槽の中には刺青の写真をくしゃりと丸めて無数に浮かべた窪田美樹の作品があったりして、展示場所が生かされた作品に心が動かされる。また、小さく囲われた浴室では、水入りの浴槽内に、ぐるりと周になった車道を走る車が上空から撮られた映像が投影されている。池田拓馬による本作は、暗く照明を落とした展示スペースの空気を感じながら、水面や浴槽の底にはかない光で映りこむ車が走る様子を覗き込む趣向だ。真夜中、都会の銭湯に入った際の、落ち着きや孤独感、銭湯の外へ馳せる思い等が作品に重なり、印象深い。

今回の展示では、作家と作品についての説明が書かれたファイルを入り口で借りられるのも面白い試みだ。ファイルを片手に展示場を巡り、銭湯で他のお客と初めてしゃべるように、作品に出会っていく楽しさを味わっていきたい。


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