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小出ナオキ:Maternity Leave
展覧会
執筆: カロンズネット編集   
公開日: 2010年 6月 29日

画像提供: 小山登美夫ギャラリー 京都|Copyright © Naoki Koide

【作品紹介】
小出ナオキは、自分自身や彼を取り巻く身近な人々、つまり関係性の深い人物を主なモチーフとした彫刻や絵画作品を中心に制作しています。2004年の個展「二人の浴室」では、親密な関係を象徴する寝室や浴室に配されたカップルが主役になりました。2006年の「Marriage」では、結婚式の衣装を身にまとった夫妻の立体作品、そしてそれを実際に式場に設置して撮影した家族のポートレート写真を展示。そして2008年の「In These Days」では、引っ越しして新しい家ができたこと、また他界した家族がモチーフとして登場しました。

このように小出の作品は、つねに個人的な環境に着想を得ていますが、閉じた世界という感覚は与えません。やすりで削られたFRP(強化プラスチック)の作品のつるりとした質感、そのどこかノスタルジックなくすんだ色合い、人物や動物たちの、なんともいえず茫洋とした表情。これらが持つほんわかとしたかわいらしさ、コミカルさ、甘美さに混じる不気味さや不安に、鑑賞者は引き込まれていきます。子供のころの遊びの延長にあるかのような、ある種の本質的な力をもつ小出の作品は、詩情にあふれ、自伝的でありながらも鑑賞者の記憶を刺激するような魅力をもっています。

【この展覧会について】
本展は、作家が初めて使用する素材であるセラミックの作品を中心に、ペインティング、ドローイングなどで構成される予定です。展覧会のタイトルは「Maternity Leave」(産休)で、テーマは新しい家族の登場。母、父、娘のモチーフが中心となります。

信楽の「滋賀県立陶芸の森」で制作されたセラミック作品には、妊婦のモチーフの2mに近い大作や、母・父・娘の彫像、雲をモチーフにした作品などが含まれます。これまで使ってきたFRPとセラミックの違いについて、「FRPは自分がやったことが100% 結果になるのに対して、セラミックは素材や環境の制約があり、また窯を開けてみないとわからない。自分の痕跡以外のものとキャッチボールをしながら試行錯誤した」と話す小出の、新たな試みを是非ご高覧ください。

【作家プロフィール】
小出ナオキは1968年、愛知県生まれ。1992年に東京造形大学造形学部美術学科を卒業。現在は千葉県を拠点に制作活動を行っています。2003年、岡田聡氏キュレーションによるグループ展『マジック・ルーム』(Project Room / 小山登美夫ギャラリー)に出展後、2004年の個展『二人の浴室』、06年『Marriage』、08年「In These Days」に続き、小山登美夫ギャラリーでは4度目の個展です。

その他の主な展覧会に、『カフェ・イン・水戸』(04年、水戸芸術館、茨城)、『マジカル・アート・ライフ』(06年、トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)、「Fiction@Love」(06年、MOCA Shanghai、上海、中国)、『neoneo Part1 [BOY]』(09年、高橋コレクション日比谷、東京)、『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009』(09年、新潟)などがあります。

※全文提供: 小山登美夫ギャラリー 京都


会期: 2010年8月21日-2010年9月18日

最終更新 2010年 8月 21日
 

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