三輪彩子:回転 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2009年 2月 17日 |
三輪彩子は既存のメディアや空間に素朴な疑問を抱き、自然にそれを作品化する作家です。 彼女の疑問の対象となるメディアは普通のアーティストが普通に通り過ぎてしまうような些細な事や物です。たとえば「平面作品」とよばれる作品を支える支持体であるキャンバスやパネル、はたまた紙でさえその身は確実に厚みを持っており、「平面」ではありません。そういった我々が無意識に通り過ぎている部分を観る者に見せつけ、ある種挑発的に提示するスタンスを三輪彩子は持っています。彼女がgeisai#11でマーク・オリヴィエ・ウォラー賞を受賞した際も、多くの観客が意識していない展示スペースの空間そのものをオブジェ化した木枠を提示し、観る者を惑わさせました。空間やメディアに対する疑問や批評をどのような手順を踏んで観る者に提示するかという事は、作家にとって最も重要な事項の一つです。そういった手順を三輪彩子の個展で読み解くことは幸福な美術体験に間違いありません。 経歴 ※全文提供: art project frantic |
最終更新 2009年 2月 06日 |