via AIRMAIL と題された今回の展覧会は、手紙というアナログなコミュニケーションを森村自身が解体し再生させることで展開されています。
森村は、2012年 Social Estate Art Center（New York, USA）でのアーティストインレジデンスの際、日本の自分自身にあてて毎日１通AIRMAILを送り続けました。
またレジデンスの上空を通り過ぎる飛行機をこれも毎日１回カメラで撮影しています。
その行為は、常に「ここではないどこか」に憧れ続ける作家と「世界」を繋ぐ象徴だったのかもしれません。
2000年代に突入後加速度的に進んだインターネットを介してのコミュニケーションは、 世界を近づけた反面「全てがクイックになってしまうことへの不具合や窮屈さを感じさせる」と森村は語っています。
彼の作品制作は極めて個人的な問題に端を発し、途方も無く孤独な作業を経て完成します。
パーソナルな動機から繰り広げられるそのストーリーを読み解きコンセプトを理解していくと、作家が提示している世界はとても広く大きい事がわかります。
しかも今回のシリーズは、我々個人が如何にして社会=世界と繫がっているのか？ を問い直す試みとなっているのです。
via という単語が示すように、作家は常にストーリーの経由地に立ち、その先を見据えているのです。
ぜひこの機会に御高覧頂き、森村誠のストーリーを体感してください。

◆関連イベント
10月4日の18時30分より20時まで、作家を囲んでレセプションパーティを開催致します。
Reception party : 18h - 20h at 4th Oct. *entrance free