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渡邊真由:山から家まで
展覧会
執筆: 記事中参照   
公開日: 2011年 5月 02日

Copyright © Mayu Watanabe
画像提供:Gallery PARC

渡邊真由(わたなべ・まゆ 1984~ http://mayuwatanabe.web.fc2.com/)は、絵具の「小さな粒」をまるでビーズのように画面上に散りばめ、そこに心地よいリズムや波紋のような広がりをつくりだす、ユニークな絵画作品を制作しています。

渡邊は、キャンバスを前にまず情景や物の漠然としたイメージを思い浮かべます。 それは「山」や「沼」といった具体的なものから、「つめたい空気」や「すきま」といった抽象的なもの、あるいはどこにも存在しない想像だけの情景などであり、そのイメージは色や線としてキャンバスに描かれていきます。

その後、混色した絵具を注射器のようなもので粒にして、一気に散りばめていくプロセスでは、これらはある意味での「下絵」とも呼べるものです。しかし、その「粒を置く」行為は、下絵の色や線に強く従うものではありません。

渡邊は下絵を描いた際に思い浮かべたイメージをより自分に引き寄せるように、あるいはそこから連想される新たなイメージを広げるかのように粒を置きます。また時にそれは「連鎖・連続するリズム」として、互いの距離や配置に影響されながら、渡邊のコントロールすら超えて新たなイメージを画面上につくりあげます。

これまでの作品に新作を加えたおよそ15点の構成による本展のタイトル「山から家まで」とは、渡邊の作品制作における、異なる思考や感覚を辿る道のりを表しているとも言えます。鑑賞者の皆様にも、作品を前にそれぞれの想像の中で、様々な道のりを辿っていただけるのではないでしょうか。

※全文提供: Gallery PARC


会期: 2011年5月24日(火)-2011年6月5日(日)
会場: Gallery PARC

最終更新 2011年 5月 24日
 

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