今回の展覧会では、吉岡俊直(1972年生まれ)がここ数年力を入れているCG映像の最新作と写真作品をご紹介します。
BIRTH(映像作品) あるマンションのごく普通のバスルームの天井の一角から、水がしみ出して来ます。ゆっくりと水滴は膨張しやがて巨大になり、そしてついに臨界点を迎え、、、音響もなく、 固定された視点から捉えられた静止画に近い空間。ストイックな時間が流れる中、観客は固唾を飲み、じらされ、引き込まれ、最後はバーチャルな世界の中でひとつのカタルシスを体験します。
TEARS(映像作品) BIRTHの作品では、水滴は観客の見上げる視線上にありましたが、TEARSの画面では、まさに今落下して行く水滴を真上から見下ろす構図でとらえています。しかも水滴はカラフルに着色され、実際の加速度で落下して行きます。色と落下する場所のテクスチャーが何通りにも組み合わされ、数秒で次の水滴が落下する画面に移行し、観る者に息をつく間を与えません。スローモーションで表現されるBIRTHのシリーズとは強いコントラストを描いています。
place of water(写真作品) 画面では、大きな赤い玉が写されています。じつはこれらは皮を剥いた西瓜です。まるでリンゴや桃のように西瓜の皮をむく。それだけで、普段は見る事のない全く別の西瓜を吉岡は観客に呈示します。痛々しいほど皮膚感覚が刺激されると同時に、ものの見方を覆される快感を、観客は味わう事になります。
吉岡俊直profile 1972年京都府生まれ 京都市立芸術大学大学院修了 現在 名古屋造形芸術大学准教授 個展(2005年〜): 2006 名古屋・ガレリアフィナルテ 2008 名古屋・ガレリアフィナルテ 2009 奈良・Gallery OUT of PLACE 2010 東京・TOKIO OUT of PLACE パブリックコレクション: 大阪府文化振興財団/大阪、町田市立国際版画美術館/東京、京都市立芸術大学芸術資料館/京都、三戸町現代版画センター/青森、クラコウ国立美術館/ポーランド、広東美術館/中国 ※全文提供: TOKIO OUT of PLACE
※全文提供: TOKIO OUT of PLACE
会期: 2010年2月12日-2010年3月13日
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