宮崎勇次郎:青と緑と富士山 |
展覧会 |
執筆: 記事中参照 |
公開日: 2011年 6月 13日 |
《ダフネの森》2011年 acrylic on canvas 194x486cm 宮崎勇次郎の初個展。宮崎は1977年大分生まれ。2001年に東京造形大学を卒業しました。2005年の「トーキョーワンダーウォール公募2005」トーキョーワンダーウォール大賞を皮切りに、2007年「VOCA展2007」、2009年「neoneo展 Part1[男子]ーネオネオ・ボーイズは草食系? 」高橋コレクション展と着実にその実力を発揮してきています。 宮崎の実家は銭湯を営んでおり、壁に描かれたペンキ絵はとても身近なものでした。実際に銭湯の背景師に師事し、その手ほどきを受けた経験から生まれるその作品は、鮮やかな青空や匂い立つような樹木の緑と富士山を描いています。 『いま感じるものを描く。』 宮崎はそう強く思っています。 今回メイン作品である「ダフネの森」は自然との共存をテーマにしています。未曾有の震災を経験したいま、宮崎は再び自然や社会に対する人間のありようを見つめ直さないといけないと考えました。ダフネ達が自然を取り込み、取り込まれるように手や足や髪の毛が植物となっている情景を描き、またそこには生や死といった観念をも内包した作品に仕上がっています。 「いま再び自然と向き合い、人間のありようを考えないといけない。」そんな宮崎の想いが込められた作品の数々を是非ご高覧くださいますようお願い申し上げます。 また、本展をもちましてミヅマ・アクションの活動を休止いたします。 ※全文提供: ミヅマ・アクション 会期: 2011年6月15日(水)-2011年7月9日(土) |
最終更新 2011年 6月 15日 |
実家が銭湯であった作者による、絵画展。細かく書き込まれた画面には、銭湯の背景画を思わせる富士山が描かれている。そのほかに、蝦蟇仙人らしき人物等の東洋美術の画題や、工事現場の壁等の現代的なモチーフ、金髪の女性像等も組み合わされ、不思議な世界が繰り広げられる。女性裸体と舞台の幕の後から覗く富士山の絵などは、若松孝二監督のピンク映画をも連想させて興味深い。タッチによって作られる独特な世界観を生かすべく、繰り返し使われたり意味深だったりするモチーフたちに何か繋がるものが観えてくると、更に魅力が増すだろう。